この記事でわかること
- 急に担当になったときの3ステップ(現状把握・目的の再定義・業務の線引き)
- 引き継ぎ直後に陥りがちな3つの失敗
- 自社でやることと、外部に任せることの切り分け
はじめに
急にWeb担当者を任されたら?初心者でも焦らないための心構え

「明日から、うちのホームページの運用よろしくね」 中小企業において、ある日突然、上司や社長からこのように自社サイトの担当を任されるケースは珍しくありません。
営業や総務などの通常業務と「兼務」で担当することになり、「Webの知識なんてゼロなのに、一体何から手をつければいいのか……」と途方に暮れてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、焦る必要はありません。最初からプログラミング言語を覚えたり、高度なマーケティング用語を使いこなしたりする必要はないのです。
知識ゼロ・兼務でも大丈夫。やらないことを決めるのが最初の第一歩
新しい業務を任されると、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と、ネット上にある情報をすべて鵜呑みにしてしまいがちです。
しかし、兼務で時間が限られている中小企業の担当者にとって、すべてを完璧にこなすのは現実的ではありません。

Web担当者として最初に行うべき最も重要な仕事は、「やらないこと(自社で抱え込まないこと)」を決めることです。
例えば、「サーバーの複雑な設定」や「デザインの大幅な改修」などは、初心者が手探りで行うと、サイトが表示されなくなるなどの大きなトラブルを引き起こすリスクがあります。
まずは「自分がやるべき領域」を絞り込み、心理的なプレッシャーを下げることから始めましょう。
完璧主義を捨て、まずはホームページの現状を知ることから始めよう
「やらないこと」を決めたら、次に行うべきは「いきなり新しく何かを作ること」ではなく、「今あるものの現状を知ること」です。
自社のWebサイトが現在どのような状態にあるのか、誰が管理しているのか、そしてどのような目的で作られたのか。
この土台部分が分からないまま新しい施策(ブログを書く、SNSを始めるなど)に手を出しても、砂上の楼閣のように成果には結びつきにくい傾向があります。
完璧主義を捨て、まずは自社サイトの「健康診断」を行うつもりで、以下のSTEP1から順番に確認を進めていきましょう。
担当者「明日から、うちのサイトをよろしくね」と言われました。何から始めればいいですか?



最初にやるのは、新しい施策ではなく、「今のサイトの現状」を知ることです。3ステップで進めましょう。
全体の流れを、図にまとめました。


【STEP1:現状把握】
まずは「今の自社サイト」の引き継ぎ・管理状況を確認する
担当者になったら、まずはサイトの「権利」と「現状のデータ」がどうなっているかを整理します。これは、インターネット上の自社の資産(家と土地)の契約書を確認するような、非常に重要な作業です。
ドメイン・サーバーの契約状況とログイン情報の確認


Webサイトをインターネット上に公開し続けるためには、「ドメイン(URL・ネット上の住所)」と「サーバー(データ置き場・ネット上の土地)」の契約を更新し続ける必要があります。
- 契約更新日の確認: いつ、誰のクレジットカード(または銀行振込)で更新費用を払っているか確認しましょう。担当者の異動などで支払いが滞ると、ある日突然ホームページが消え、会社のメールアドレスも使えなくなるという致命的なトラブルに発展する可能性があります。
- 管理画面のログイン情報の確保: ドメインやサーバーの管理画面、そしてWebサイトそのものを編集するためのシステム(WordPressなど)のIDとパスワードがどこに保管されているか、前任者や制作会社に確認し、安全な場所に記録・共有してください。
現在のアクセス状況(Googleアナリティクス等)の導入有無をチェック
次に、自社のサイトに「今、どれくらいの人が来ているのか」を計測するツールが入っているかを確認します。代表的なものが無料の「Googleアナリティクス(GA4)」です。
まずはツールの使いこなし方を覚える必要はありません。「そもそも導入されているか」「誰のGoogleアカウントでログインすればデータを見られるか」を確認するだけで十分です。
もし導入されていない、あるいはログイン情報が全く分からない場合は、早い段階で外部の制作会社やサポート会社に相談し、計測できる状態を整えてもらうことをおすすめします。
STEP1で確認するのは、サイトの「権利」と「現状のデータ」です。新しい施策に手を出すのは、それを把握してからです。
【STEP2:目的の再定義】
中小企業のWebサイト運用における「役割」とは?
現状の管理状況が把握できたら、次は「このWebサイトは何のために存在しているのか」という根本的な目的(役割)を社内で再定義します。
サイトの役割(名刺代わりか、集客用か、採用目的か)を社内で共有する
| サイトの役割 | 目的 | 運用の方向性 |
|---|---|---|
| 1. 信頼獲得(名刺代わり) | 既存の取引先などが、会社概要を確認する | 最新のお知らせと、正確な会社情報が載っていれば合格点。無理に毎日ブログを更新する必要はない |
| 2. 新規集客(営業支援) | Webから、新しい顧客を獲得する | ターゲットに合わせたコンテンツを、継続的に発信する |
| 3. 採用活動(求職者向け) | 求職者に、会社の魅力を伝える | ターゲットに合わせたコンテンツを、継続的に発信する |
Webサイトの役割は企業によって全く異なります。 例えば、既存の取引先が「会社概要」を確認するためだけの「名刺代わり(信頼獲得)」のサイトであれば、無理に毎日ブログを更新する必要はありません。最新のお知らせと正確な会社情報が載っていれば合格点です。
一方で、Webから新しい顧客を獲得したい「集客用」のサイトや、求職者に魅力を伝えたい「採用目的」のサイトであれば、ターゲットに合わせたコンテンツを継続的に発信していく必要があります。
「うちのサイトは今、どの役割を担うべきか?」を、社長や営業部門とすり合わせ、社内で共通認識を持っておくことが、今後の運用の方向性を決める鍵となります。
ターゲットと最終的なゴール(問い合わせ等)を明確にする
役割が決まったら、誰に向けて情報を発信するのか(ターゲット/ペルソナ)と、サイトに訪れた人に最終的にどのようなアクションを起こしてほしいのか(ゴール/コンバージョン)を決めます。
- ターゲット例: 「都内で〇〇の部品を探している、製造業の購買担当者(40代)」
- ゴール例: 「製品カタログのダウンロード」や「無料相談フォームからの問い合わせ」
ここがブレてしまうと、「誰にでも響くようで、結局誰にも刺さらない」中途半端なサイトになってしまいます。
専門的なペルソナ設計は難しくても、「自社の優良顧客はどんな人か」を思い浮かべながら、社内で書き出してみるだけでも効果的です。
自社サイトの目的やターゲット設計にお悩みですか? 「現状把握はできたけれど、このサイトをどう活用すれば売上や採用に繋がるのか分からない」という場合は、第三者の視点を入れることで課題がクリアになることがあります。Crogoでは、目的の整理から伴走するWeb集客コンサルティングを行っております。
【STEP3:業務の線引き】
独学と外注の違い。初心者がプロに任せるべき領域
STEP2で目的が定まったら、いよいよ具体的な運用作業に入りますが、ここでも「すべてを自力でやる必要はない」という大原則を思い出してください。
担当者がやるべき基礎業務は社内情報の整理とコンテンツの企画
非エンジニアの兼務担当者が最も注力すべきなのは、「自社にしか出せない一次情報(リアルな情報)を集めて発信すること」です。
- 社内の最新情報を集める:
- 新製品の情報、年末年始の休業案内、社員のインタビュー、お客様からのよくある質問など、現場にいるからこそ分かる情報を集めましょう。
- コンテンツの企画・素案作り:
- 完璧な文章でなくても構いません。スマートフォンで撮影した現場の写真と、「どんなこだわりを持って仕事をしたか」という箇条書きのメモがあるだけでも、立派なコンテンツの種になります。
これらの「会社の熱量やリアルな姿」は、外部の業者には決して作れない、自社ならではの強力な武器となります。
サーバー保守・SEO・リニューアル時のデザイン変更は外部パートナーを頼る


一方で、専門的なスキルや時間が必要な領域は、思い切って外部のプロ(制作会社やマーケティング支援会社)に外注しましょう。
- システム保守・セキュリティ対策: WordPressの安全なアップデートや、定期的なバックアップの取得など。
- 高度なSEO対策: 検索順位を上げるためのサイト構造の最適化や、競合調査に基づいた戦略立案。
- デザイン変更・コーディング: 見た目を美しく整えたり、スマートフォンの画面サイズにぴったり合わせたりする作業。
これらを独学で習得しようとすると膨大な時間がかかり、本来の業務を圧迫してしまいます。
「自社の強みを伝えるための素材集め」は社内で、「それを魅力的に見せ、多くの人に届けるための技術」はプロに任せる、という分業体制が成功の秘訣です。
3ステップの整理(本記事の内容の整理)
各ステップで確認すること・決めることを、表にまとめました。
| ステップ | 確認すること・決めること | 進め方 |
|---|---|---|
| STEP1 現状把握 | ドメイン・サーバーの契約状況と更新日、ログイン情報、アクセス解析(Googleアナリティクス等)の導入有無 | 自社で確認する。分からない場合は、早い段階で外部に相談する |
| STEP2 目的の再定義 | サイトの役割(名刺代わり・集客・採用)、ターゲットと最終的なゴール | 社長や営業部門とすり合わせて、社内で共有する |
| STEP3 業務の線引き | 社内情報の整理、コンテンツの企画/サーバー保守、セキュリティ、SEO、デザイン変更 | 前者は自社で行い、後者は外部のパートナーに頼る |
ホームページ引き継ぎ直後に陥りがちな3つの失敗パターン
ここで、新任のWeb担当者が良かれと思ってやってしまいがちな、3つの失敗パターン(リスク)を紹介します。これらを事前に知っておくことで、会社に損害を与えるような致命的なミスを防ぐことができます。
失敗1:目的を決めずに、いきなりデザインを大幅に変えようとする
「今のサイトは少しダサいから、かっこよくリニューアルしたい」と、見た目の変更から手をつけてしまうパターンです。
しかし、STEP2で触れたように、目的(集客なのか名刺代わりなのか)やターゲットが定まっていない状態でデザインだけを変えても、問い合わせは増えません。
かえって既存の顧客が迷子になり、アクセス数が激減してしまうリスクもあります。
失敗2:ターゲットを無視して、とりあえずブログを書き始める
「SEO対策にはブログ更新が必須だ」と聞き、とりあえず「今日のランチ」「社内イベントの様子」などを毎日更新し始めるケースです。
採用目的であれば会社の雰囲気が伝わって良いかもしれませんが、BtoBの集客目的であれば、購買担当者が読みたい情報ではありません。
ターゲットの悩みを解決する有益な情報(お役立ち記事など)を発信しなければ、成果には繋がりにくい傾向があります。
失敗3:分からないことを放置し、セキュリティのリスクを抱え込む
STEP1の「現状把握」を怠り、ドメインの更新通知や、システム(WordPressなど)のアップデート通知が来ているのに「よく分からないから」と放置してしまうパターンです。
これが最も危険であり、サイトの乗っ取りや顧客情報の漏洩など、担当者としての管理責任を問われる重大なトラブルに発展しかねません。
分からないことは絶対に放置せず、必ず専門家に相談するルールを設けましょう。
- ドメインの更新通知:期限が切れると、サイトが表示されなくなるおそれがある
- WordPressなどのアップデート通知:放置すると、セキュリティのリスクが高まる
- ログイン情報:誰が、どこで管理しているかを、最初に確認する
よくある質問
- ログイン情報が、まったく分からないときは?
-
早い段階で、外部のパートナーや専門家に相談します。まずは、契約更新日の確認とあわせて、権利関係を把握します。
- 兼務の担当者は、何に力を入れればよいですか?
-
自社にしか出せない一次情報の整理と、コンテンツの企画です。新製品の情報や社員のインタビューなど、会社の熱量やリアルな姿は、外部の業者には作れません。
- どこまで、外部に任せればよいですか?
-
サーバー保守・セキュリティ対策、SEO、リニューアル時のデザイン変更は、外部のパートナーを頼る領域です。「素材集めは社内、見せ方は外部」と考えると、整理しやすくなります。
まとめ
一人で抱え込まず、伴走してくれる外部パートナーを味方につけよう
急にWeb担当者を任されたからといって、すべてを一人で抱え込み、一夜にしてWebマーケティングのプロになる必要はありません。
中小企業のWebサイト運用にこそ、相談できるプロが必要な理由
限られた人員と予算の中でビジネスを回している中小企業にとって、専任のWeb担当者を置くのは難しいのが現実です。
だからこそ、兼務で奮闘する担当者には、分からないことをすぐに聞けたり、自社に足りないリソースを補ってくれたりする「伴走者」の存在が不可欠です。
プロを味方につけることで、失敗のリスクを最小限に抑えながら、最短距離で「Webサイトを通じた売上アップや採用強化」という本来のゴールに向かって進むことができます。
Crogoが提供する、お客様に寄り添う黒衣としてのサポート体制
私たち株式会社Crogoは、社名が表す通り、お客様の事業の裏方として伴走する「黒衣(くろご)」です。
「急に担当者になったけれど、何から手をつけていいか分からない」「今のサイトの健康状態を一度プロに見てほしい」といったお悩みに対し、現状のヒアリングから課題の整理、そして優先順位をつけた無理のない運用プランまで、ワンストップでご提案いたします。
Webサイトは、正しい手順で運用すれば、24時間休まず自社の魅力を伝えてくれる優秀な営業マンになります。
焦らず、まずは現状を把握する「STEP1」から始めてみましょう。そして、少しでも不安を感じたら、ぜひお気軽に私たち黒衣にご相談ください。
- 最初の仕事は、「やらないこと(自社で抱え込まないこと)」を決めること
- STEP1の現状把握、STEP2の目的の再定義、STEP3の業務の線引きの順に進める
- 分からないことは放置せず、必ず専門家に相談するルールを作る
現状の課題のご相談や、無料見積もりは、お問い合わせフォームから受け付けています。具体的なご予算やページ構成が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。

